「ポってマ?」つづき
昨日書いた記事の内容をゼミに持ち込んだら面白かったので備忘録的に書き留めておく。
うちのゼミには気になる言葉を持ち寄る時間があって、今日ちょうど同期も「マ?」について持ち込んできていた。タイムリーすぎてびっくりした。
こちらはオタク云々ではなく女子高生の流行語についてだったけれど。
女子高生と触れ合う機会がめっきりなくなってしまったこともあって、彼女たちの流行語にもマ?があることにたいへんびびった……
やっぱり女子高生とネット語というかオタク語は通じるものがあるのか?
というわけで、どうして省略したがるのかについて。
ネット用語ならばいわゆる即レスするため、入力の手間を省くためにそうなったのかと思うけれども女子高生(というか若い子)に省略が流行るのはなぜだろう。
私は若者はとにかくしゃべりたい、話したいことがたくさんあるからなのかとなんとなく思ったけれど、その場でぱっと考えたこともありあんまりしっかりした仮説じゃない。
以下うちの先生やラボ同期と話した結果。
先生曰く、要因はふたつあるようだ。
ひとつはさっきも書いたけど、ネット用語であることゆえの省略。
これはいわゆるKY語とか(KY→「空気読め」のように(文節で)区切った頭文字をアルファベットで省略する)もそう。先に貼ったリンク「女子高生流行語大賞2016」7位の「BFF」もこれ)携帯やスマホをあたりまえに持つようになったら手書きよりも早くきれいに文字をコミュニケーションに使えるようになったってことだし、早く送る(伝える)ことを意識すること、レスポンスが乗り遅れないようにする意識と、そこから即レスが文化になるのもわかる。
(余談だけれどBFFはこの記事を読むまで知らなかった。いかにも女子高生がプリクラに書きそうだなあと思ったし某『一期一会。』を思い出すなどした)
で、最近はそのネット用語が外に出ることに抵抗がなくなってきた。昔は2chとかネットの世界と現実はことばの面でも住み分けていたし、2ch語とかを外(リアル)で使うことに抵抗があったけれど、いまはそうでもない。
そうやって考えるとインスタの流行り具合といい、現代の流行はネットで発信されてることもある。というか無視できないし影響も大きい。
ふたつめは、そのことばを理解できる仲間意識。
共感を高める、つながりを確かめるためのことばとして機能している。なのでそのつながりに端を発して流行る。
そう言われて思ったけれど、昨日書いたうちのサークルの彼らは「そマ?」って言った瞬間(または会話内で発された瞬間)、それ自体に受けている気がする。半笑いだったし。
"ことばのおもしろさ"はことばが流行る現象において大きな要因でもある。使っていて楽しかったらそりゃあ何度も使うよね。
議論は同期が持ち込んだ女子高生流行語大賞へ。
1位「卍」。先の記事によれば、
6秒動画アプリ「Vine(ヴァイン)」をきっかけに有名になった大関れいかが使っていたことがきっかけで流行。主に「写真撮るポーズと掛け声」「やんちゃな人に対して『あの人卍だよね』と使う」「テンションが上がったとき」の3つの意味と用法が紹介された。
だそうだ。その大関れいかさんのVineキャプション(?)はこちら。
海 彼氏の前vs友達の前卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍卍
Vine発祥というのがなんとも女子高生らしい。
でもこれ└(┐卍^o^)卍ドゥルルルからきてるんじゃないのかなぁ……って言ったら割と賛同を得られたのでうれしかった(オタク言葉と女子高生言葉を結び付けたがる党です)
2位「よき」は古語からきていて女子高生らしいとか書いてあったけどこれや5位「はげる(禿げる)」や10位「○○み」はどう考えてもオタク界から来たでしょこれ……腐女子の女子高生が使ったとこから広まったタイプじゃないの……?ありえんよさみが深いってことじゃないの……???
あと「禿同」を思い出した。むしろこっちから来てるのかもしれない。
思えば「激しく同意」も面白い。先生が動く行為に対して付く「激しく」に静かな「同意」が付くというつくりについて話していた。これは同意する際の「激しく頷く」行為からきてるのかしら。
そんでもって8位が「ゲロ」である。
ゲロかわいいと言うのを聞いたことはあるから知っている、知っているけれども。ゲロって。
先生曰く、程度の低い、ネイティブな表現は程度表現になりやすいらしい。
「"くそ"かわいい」、ああなるほどうんまあ確かに。
90年代にも「ゲロマブ」などの言葉が流行ったが、現在は「吐きそうなくらいすごい」とより直接的な意味で使用されている。
なお、同じ意味を現す形容詞は「ガチ」「神」など多数存在するが、番組調べによると強度は「ゲロ>鬼>神>ガチ>マジ>超」の順番だという。
確かに「鬼」もマイナスイメージである。いわゆる畏怖の対象、"こわいもの"。
(けれど同期が指摘してくれたが、「鬼才」ということばも確かにある)
現在はプラスのイメージで用いられている「ナイス」も、語源を辿れば元々は「ばか」「無知な」「愚かな」っていう意味だったらしい。
そういえば静岡弁にも褒める形容詞として「ばか」がある。「ばかうまい」などと用いる。方言でも同じなのかしら。ひょっとしたらこちらの方がその色が濃いのかもしれない。
「死ぬほど」うまいラーメン、もこれかと思ったが先生曰く、こういったものは"きったない「もの」"じゃないといけないらしい。(とすれば「ばか」は厳密には外れるのだろうか)きたないはきれい?
それと、ことばが流行るには語感が大切であり、三文字ではなく二文字じゃなきゃいけない。ようだ。
「鬼」も「ゲロ」も「くそ」も「ばか」も読み上げてみれば確かに二文字である。
(なお、「神」に関しては既にあるすごいものをたとえとして用いるのは自然すぎるので今回は問わない)
というわけで、次に流行る"きたないはきれい"コンテストが決行された。
意外と"きったない二文字"を探すのはむずかしかったが、結果以下の候補が挙げられた。
・「ゴミ」by私
→同期がもう見かけていた(!)
・「ドブ」by先生
・「カビ」by同期
見事にきたない系ばかりである。
並べてみるとこれはひどい、「ドブかわいい」ってなに……???いやでも「ゴミ」がもう使用された例があるしううむ……
ひとまず、当研究室3年ゼミとしては次に来る流行語として「ドブ○○」「カビ○○」を予言しておく。そして流行らせる試みも(気が向いたら)行うこととなった。
各種流行語大賞が発表されているが、"流"行、というだけあって、見事に次から次へと変わっていくものだなあと思う。
ことばに関しては意味合いが変わる場合もある。「やばい」(マイナス→プラマイ問わない)とか「禿げる」(マイナス→プラス)とか。
とすれば、いまネガティブイメージを指すのだけに使われている言葉であっても、いずれポジティブイメージへと振れ幅が変わっていく可能性もあるのだ。
「まずい」など、あんまり限定的だとそうはならないけど。という話で終わった。
今日はその後サークルに行って、帰宅して玉ねぎと手羽元のスープを作って食してシードルを飲んだ。